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CVTシフトってどんなもの?
このCVTとは、「Continuously Variable Transmission」(コンティニュアスリィ・バリアブル・トランスミッション)の略で、日本語では無断変速式と表現することができます。従来のギアとは、外装でそれが付いているスポーツ自転車を見るとよく分かるように、円盤状のギアが何枚か重なって付いています。一番奥が大きなギアで(小さいギア)、手前に来るに従って円盤が小さく(大きなギア)なっていますが、車のギアも似たようなものです。
CVTのギアはこの円盤が何枚といったような段階がなく、円錐上になっています。上の自転車で表現すると、一番奥から手前に掛けて鋭くなっていき、最後が尖っているようなものを想像してください。
つまり、5段階や6段階のような切替が一切ないのです。その為に無断変速式という表現になっています。かと言って、ギアが1つしかない状態とは違い、ATミッションのようにエンジンの回転数が上がるに連れて、上の表現で言う手前の鋭い方に序々にシフトアップされていくということです。
この感覚は実際に運転してみると分かりますが、ATミッションに非常に似ています。ただ、段階式のギアが上がった時のような目に見えてエンジンの回転数が落ちることがなく、まるでギアが1つしかないような感じでごく自然にシフトアップされていきます。
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CVTシフトの車の特徴とは?
CVTシフトの車は、カテゴリー的にはATミッションの車の一部となります。運転免許でもAT限定免許で乗ることができ、最近の車ではATミッションより多く採用されている傾向があります。
ギアに段階というものがないので、常に最適なギア(便宜上)で走ることができるという利点があるのが特徴です。尚、全くギアチェンジとは無関係に見えるスクータータイプの原付バイクも、実はこのCVTシフトです。
しかし、欠点として、ギアの固定が難しいという点があります。車によってはCVTでも、「1」や「2」とシフトがあり、それらのギアを仮想した半固定が可能ですが、MTミッションやATミッションの車で本当にギアを固定している状態と比べると不安定です。よって、あまりそのようなギアの固定機能は使わずに、素直に普通に乗っているのが一番です。
また、このCVTシフトの車はATミッションよりエンジンパワーが発揮しにくいと言われています。それは、そのギアにおける最高回転(近く)まで引っ張るということが一切できないからです。
一見、とても優れている変速方式のように見えながらも、このシフトでは性能が高い車を作るのは難しいのです。その為、この変速方式はエコカーやコンパクトカーには多いですが、ある程度のグレードの車になると、急に全く使われなくなります。
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CVTシフトの車がおすすめなのは?
要はスクータータイプの原付バイクと同じ変速方式なので、言ってみれば安価な車向けなのがこのCVTシフトです。ちなみに、ハイブリッドカーや電気自動車はまずこの変速方式になります。(モーターを動力として使うと、構造的に実のギアで変速という形にするのが難しい為)
ATミッションの車でも、車好きな人からはゴーカートのようなものだと言われることがありますが、それより更にゴーカートに近い感覚の車です。運転は一番簡単だと言うことができますが、車を運転しているという感覚からは一番遠くなってしまうかも知れません。原付バイクの延長線のような車だとさえ言われることもあるくらいです。
ですが、それは裏を返せば、車をそのような小型のバイク感覚で簡単に運転できるということです。車の運転に対して特に思い入れのようなものがなく、単なる移動手段として乗るだけという場合には一番疲れずに運転できるのは間違いありません。
余談ですが、このCVTシフトならではという面白い点が1つあり、それはバックで走る時です。MTミッションやATミッションではバックギアはギア比率の小さな1速しかないので(バックでスピードを出すことはまずないので当然です)、時速30キロも出ればいいところですが、CVTシフトの車ではバックでの走行でも自然に前進時と同様のシフトアップされていくので、車によっては本気でアクセルを踏めば時速100キロ以上出てしまいます。
実用性は全くありませんが、これを利用して、バックで走るといった曲芸のような走行(もちろん公道上ではありません)をする時には人気になるという面白い性質の変速方式でもあるのです。