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4WDでは車輪全てが動力輪です
日本では4WD(4ホイール・ドライブ=四輪駆動車)と表現することが多いですが、海外ではAWD(オール・ホイール・ドライブ=全輪駆動車)と呼ばれることの多いこの駆動方式の車は、全ての車輪が動力輪なのが一番の特徴です。
よって、前輪駆動車のFFや後輪駆動車のFRとは違い、どこかの車輪がスリップしたとしても他の車輪がその分のバランスを補ってくれます。このように抜群の安定感があるのが4WDの車です。
最近では日本でもこの駆動方式の車をAWDと表現するメーカーが出てきましたが(スバルなど)、まだ一般的には4WDと呼ばれています。それは、AWDを”全輪駆動車”と訳すと”前輪駆動車”(FF)と発音が同じ為です。よって、ここでも”四輪駆動車”と訳せる4WDで統一します。
この4WDはその特徴から、高級スポーツカーや悪路を走る目的で作られたオフロード用の車によく採用されています。例えば雪道のドライブでも、この4WDの車であれば四輪全てがスリップしてしまうような状態にでもならない限り、その場で嵌り込んでしまうことはないでしょう。
ただ、四輪全てに対してトルク(動力)を与える構造になる為、この駆動方式の車には原則的に強力なパワートレインが必要になります。
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4WDは燃費が悪くなりますが…
それほど馬力の出ないパワートレインでは4WD駆動の車を動かすのは難しいので、この駆動方式の車では強力なエンジンなどを搭載するのが当たり前なので、どうしても燃費という面ではFFやFRの車より劣ってしまいます。要は燃費をある程度犠牲にする代わりに安定感を求める駆動方式だと言えるのです。
尚、同じパワートレイン同士でも駆動方式がこの4WDだとFFやFRより若干燃費が悪くなります。その理由は、トルクが四輪に散ってしまうので、同じスピードを出す為にFFやFRよりエンジンを回す必要があるからです。その為、必ずしも4WDの方が優れているという訳でもありません。
4WDが真価を発揮するのは、やはり高出力のパワートレインを載せた車です。FFやFRでそのような車を作ると、それぞれ前輪、後輪だけに負担が掛かってしまい、バランス的に悪くなります。4WDであれば全てのタイヤでパワーを支えることができるので、この駆動方式だからこそバランスのとれた高出力の車が作れるのです。
400馬力以上あるような高級なスポーツカー、またはオフロード用の車は用途こそ全く違いますが、前者はスピードを出す為に、後者はどんな道でも走れるようにパワートレインの出力が求められます。そのような要望に一番適切に応えられる駆動方式がこの4WDだということです。
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4WDには2つのベースがあります
この4WDには細かく分けるとFFベース、FRベースの2種類があります。FFベースの4WDはどちらかというと前輪の方にトルクが配分されており、FRベースでは逆に後輪にトルクが配分されています。
その車がどちらかなのかは、ボンネットを開けてエンジン部分を見てみれば分かります。エンジンが横置きになっていればFFベース、縦置きならFRベースです。(FF、FRの見分け方にも応用できます。また、稀に違う車も存在します)
具体的な車では、三菱のランサーエボリューションというスポーツカーがFFベースの4WDで、日産の同じくスポーツカーのGT-RがFRベースです。
そして、4WDの車の中には”オンデマンド4WD”と呼ばれる種類も存在します。この反対が”フルタイム4WD”で、常に4つの車輪に対してトルクがいくらかでも配分されています。オンデマンド4WDでは、FFベースなら低速時やバックの時には前輪だけが動き、FRベースならその逆です。極力パワーが必要にならない場面ではベースのFFやFR駆動になるので、その分の燃費を節約できるのが特徴です。
4WDの車はこのようなベースの違い、及びオンデマンドかフルタイムなのかといったことまで考えて選択すると、自分に一番合った車を見付けることができるでしょう。